身勝手な自分 無神経な自分に 心底・・・嫌気がさす

 

「大丈夫よ」 

 

     君はどんな気持ちでその言葉を紡いだのだろう  

 

 

 

    

          憂

 

日に日に 夜の訪れる刻が早くなり、いつしか季節は秋に別離を告げ 今年も

死の季節がやってきた

それは悲しみにも見え、新たな生命の胎動が感じられる喜びの季節でもある

 

「雪か・・。」

 

今朝方から、やけに冷え込むと思ったら とうとう冬の使者が舞い降りてきた

 

昔の自分は、初雪が降ると しきりに庭先を見てはいつ積もるのかと、ワクワクしていたものだ。

 

でも・・今は・・ 

 

彼のココロが気になる。 縁との闘いも終え 巴に礼と別れを告げ、剣心は自分を選んでくれた。

しかし、ここ最近の彼は 彼のココロは幕末のあの頃、あの人の元へ連れさらわれてしまっているように 思えて仕方が無い。

 

『なんて醜い考え!!』

 

そう自分を諫めても 一度目を覚ました感情は、なかなかおさまってくれそうもない。

 

剣心・・私はどうしたら良いの?私が気にすると彼は気を病むにちがいない。

かといって、無神経にも振舞えないだろう。

そんな考えが、頭の中を堂々巡りしていた。

 

「薫―!!」

「弥彦? どうしたの・・?」

 

「・・いや・・最近さ剣心のやつ・・。」

 

「剣心がどうかしたの?」

 

「なんつーか  変じゃないか?ぼーっとしてるっつうか、気が抜けてるっつうか」

 まだ小さい彼にまで心配をかけてはいけない。

 

 

 

           私がしっかりしないと 

 

      

                弐へ

 

    

 

                   

     暗い・・・。剣心まだ出てきてないし・・。しばらくつづきます。良かったらお付き合いを!!ハッピーエンドかアンハッピーエンドかは、まだ未定。